DATE 2008. 9.11 NO .



『万人が等しく扱われる法秩序……ね。お前、ほんっとに真面目だよな』

『ユーリほどじゃないよ』

『…ったく、そんなだから余計な揉め事に巻き込まれんだよ』

『君も同じだろう? 何だかんだ言って、下町の事になると――』

『あぁもう、わーったよ。フレン様には負けましたよ、と』












――水音。

 事実を告げる、鐘の音。


『法で裁けない悪人――お前なら、どう裁く?』

『僕には……まだわからない』


 ちゃんと考えとけよ、フレン。お前の…やり方を。

 綺麗事も、お前が言うと何とかなりそうな気がするんだよな。

 さっさと上に行って、皆まとめて救ってやれ。

 約束は――半分だけ守ってやるよ。


『そのために、上へ行くんだ。この騎士団の中から、僕は帝国を変えてみせる』

『お前…入団前に言ってたのから、随分話が壮大な事になってねぇか?』

『騎士団の現状を知って、出来ると思ったから言っているんだよ』

『おー怖い怖い』

『――君となら、出来ると思ったんだ』


 俺は騎士団の現状を知って――

 ここにいても帝国は…下町の皆は守れない、って思ったけどな。

 今の俺にとって、お前は眩しいくらいだよ。

 あんな昔の事だってのに、な。






 誰もいなくなった橋の下、夜闇に沈む水面。

 刻まれた水紋も、もう、見えない。







≪あとがき≫
 鬱……!
 仕事人以降、ユーリは自分とフレンの道の違いを再確認して、でも言い争いをしてても根底で はフレンの理想に同調しているから、フレンを自分が違う場所から押し上げようと――って、あ んままとまってなくてすいません;
 あー、プレイしたいなー……





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